2012年10月23日

穀物を食べるということ Vol.8 穀物とヒト、生き延びるための知恵比べ

column_img_v8.jpgヒトと穀物との出会いの時期も諸説ありますが、1万5000年ほど前といわれています。
野生の小麦類、野生の稲類、いわゆるあわ、ひえ、きびなどの雑穀類と出会うことで、ヒトの体のエネルギーとして必要な、ブドウ糖エネルギーを効率よく得ることが可能になったのです。
これら植物の種子の持つ“炭水化物=(この場合は)デンプン”は、ヒトにとって、それら単独でもほとんど充分に、必要とするエネルギーと栄養を得られる食料となり得るものだったはずです。
また、他の栄養素に関しても、未精白の種子の中には命を育むのに、十分必要な条件が詰まっていますね。
しかも、人類は野生種のこれらを比較的簡単に、系統的に、保存可能で大量生産可能な方法で栽培でき、体に安全な形で手に入るように工夫し、“穀物”として人の命を育む食べものに昇華させていったのです。
紀元前9000年には、ジェリコ(現イスラエル)で小麦栽培を確認できる遺跡が残っています。

また、非常に害の少ない・安全な食べ方も手に入れました。
安全な食べ方とは、未精白の穀物を水に長く浸けて発芽モードにする、あるいは精白することです(詳しくは先行コラム内でお話ししました)。

どの生き物も死に絶えないよう、たくさん食べられてしまわないようなシステムを持っており、特に移動のできない植物は、ある種の毒を含有することで捕食されることを防いでいますので、植物を主食とするときにはその毒を無害化し、エネルギーと栄養を得ることができる体の機能を獲得することが、生態系で生き抜いていく条件(ニッチ)なのです。

牛は胃袋を4つ持ち、微生物などの力も借りてエネルギーと栄養素を摂取する道を選んでいます。ヒトは体の機能だけでではなく、知恵で適切な調理法を開発したといえます。
浸水することによって眠る種子の発芽抑制を解き、ミネラル吸収阻害を解き、加熱によりデンプンを消化しやすい形に(βデンプンをαデンプンに)変えたのでしたね。
“他の生き物の命を頂く”ための貴重な知識と手段を手に入れたともいえます。
posted by グレイニスト at 12:32| COLUMN Grainism 穀物を食べるということ

穀物を食べるということ Vol.7 ヒトの種の存続と繁栄を支えた、穀物との出会い

column_img_v7.jpgコアラがユーカリを食し、リスが木の実を食べ、アイアイはラミーの実しか食べないように、地球上の生物には、主食と呼ぶ“餌の(食べもの)の食べ分け”が存在しています。
他の動物が食べないものを自分の主食にできるかどうか、それが生存競争を生き抜く秘訣でした。
サバンナへ降り立ったサルが、何を主食に生き延び、二足歩行と知能が潜む大脳皮質を手に入れて“ヒト”に進化し、現人類に至ったのか・・・?
これは永遠の研究課題といわれ、たくさんの研究者が様々な説を繰り広げます。
手の作り、爪の形、歯の種類、唾液の中の消化酵素の種類などにより、木の実と果実から始まっているはずのサルの“餌(食べもの)”からの変遷は、肉食説、草の種説、草の根説、最近は、島泰三さんの“骨(骨髄)説”まで様々です。

ヒトとしてのidentity(アイデンティティー)を持つに至る、つまり人類の繁栄を可能にしたのは結局、その体の機能にぴったり合った“穀物との出会い”に依るものではないでしょうか。
つまり、穀物と出会い、その栽培、食べ方を適切に“手に入れたこと”によって、ヒトは種の存続と繁栄を手に入れたのです。
posted by グレイニスト at 12:25| COLUMN Grainism 穀物を食べるということ

穀物を食べるということ Vol.6 簡単!玄米を発芽モード米にする方法

column_img_v6.jpg常温で…
玄米はさっと洗って分量の水に浸け、常温なら12時間浸水し、発芽モードにします。
浄水の温度が低いときには45度くらいの温水から浸水を始めましょう。
米を浸けると適温になります。

炊飯器利用で…
急ぐ場合は炊飯器の保温スイッチを入れて蓋をして2時間すると発芽モードになるので、保温を解除してから炊飯して下さい。(炊飯器によっては保温温度が急激に上がるものもありますので、15〜20分したら保温のまま蓋を開けておくとよいでしょう。どちらにしても一度手持ちの炊飯器の性能を確かめながらやってみることをお勧めします。慣れると難しくありません。)

土鍋で…
炊飯はおいしさの点では、日本酸器の薬石鍋に勝るものはありません。
常温浸水の時には、直接、薬石鍋で浸水。
お急ぎモードの時には、2時間浸水後に、薬石鍋に移して炊きあげて下さい。

炊飯器でもおいしく炊けますが、浸水がうまくいっていれば、薬石鍋の方が早い位です。
posted by グレイニスト at 12:20| COLUMN Grainism 穀物を食べるということ