2013年09月18日

穀物を食べるということ Vol.13 「メタボリックシンドローム予防食」としての側面

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 メタボリックシンドロームは、内臓脂肪型肥満を共通の要因として高血糖、脂質異常、高血圧が引き起こされる状態です。生活習慣病の一因といわれ、2008年4月から特定健康診査(いわゆるメタボ検診)の対象になりました。

 ところが、近頃「少し太っているほうが長生きする」という説を唱える医者が現れ、乱れた食習慣を改めたくない人たちの追い風(格好の言い訳?)になっています。さらに「メタボの原因は米の食べ過ぎ、炭水化物の摂り過ぎにある」と、穀物を食べなくなった極端な人もいるそうです。

 これはとても変な話です。昔の日本人はごはんと野菜をしっかり食べ、タンパク質は小魚や豆類から摂っていましたが、メタボ体型ではありませんでした。現代人からみると粗食ともいえる食生活でありながら、よく働き、感情豊かに生きて、子孫を繁栄させてきたのです。

 日本人に生活習慣病が増えた時期は、1950年代からの高度経済成長と重なります。経済成長とともに肉類、小麦などの輸入が増え、生活が豊かになるにつれ、肉を中心とした食事、油を介した料理、白い小麦粉のパン、いわゆる洋食材が日本中に広まりました。昭和52年(1977年)頃には脂質から摂るエネルギー量が一気に増え、穀物や野菜の消費量が減りました。そしてこの時期を境に、子どものアレルギー、子どもの生活習慣病が頻発するのです。やはり肉の摂りすぎ、油の摂りすぎが生活習慣病の引き金になることは、否定できないと思います。

 未精白の穀物を中心に、季節の野菜や小魚や海草を摂る日本古来の伝統食を「正しく適量」食べれば、でっぷりおなかのメタボとは無縁です。

 江戸時代、行灯の菜種油を好んでなめていたのは、九尾の狐と化け猫だけです。


posted by グレイニスト at 21:45| COLUMN Grainism 穀物を食べるということ

新シリーズSTART! 日本古来の伝統食は、世界に誇る究極の健康食

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 心身ともに健康でいたい、健康長寿を全うしたい。限りある命を生きる私たち人間がそう願うのは、自然なことです。この切なる望みをかなえるべく、さまざまな食事療法が世界各地で次々に考案されています。「酵素食・ローフード」「糖質制限食」「グルテン・カゼインフリーダイエット」など、すでにひとつやふたつ試した方が多いかもしれません。  

 こうした新しい食事療法は、一瞬のブームで終わるものもあれば、数年にわたって世界的に流行するものもあります。でも、思い出してください。すでに1977年発表のマクガバン報告は「最も理想的な食事は、元禄時代以前の日本人の食事=精白しない穀物を主食とし、季節の野菜や海草や小さな魚介類を摂る食事である」と看破しています。

 目新しい食事療法に飛びつかなくても、私たちには日本古来の伝統食があるのです。それは、私たち日本人の祖先が世代を超えて長い年月食べ続ける“人体実験”により、安全性が証明され、受け継がれてきた食事法です。しかも、日本の伝統食を正しい食べ方で食べれば、おのずからメタボリックシンドロームを予防でき、低インスリンダイエット(血糖を緩やかに、インスリンの急激な分泌を防ぎ、糖尿病を防ぐ)も叶うと聞くと、あなたは驚くでしょうか?すなわち、日本古来の伝統食は、世界に誇る究極の健康食なのです。

 これから6回にわたり、近年話題の様々な食事療法と、日本の伝統食を科学的に比較していきます。ぜひ周囲の方にも教えてあげてください。

posted by グレイニスト at 20:47| COLUMN Grainism 穀物を食べるということ

2012年10月23日

穀物を食べるということ Vol.12 ヒトと穀物の出会い〜縄文人はクリを栽培していた

column_img_v12.jpg「環境考古学」という学問が、いま、注目されています。
簡単にいえば、気候や地理的条件などの環境が、人間の生活や文明にどんな影響を与えたのかを考えようとする、スケールの大きな新しい学問で、安田喜憲先生(国際日本文化センター教授)が提唱されました。
政治・経済・社会体制の変化が人間の歴史を動かすという歴史観の他に、「気候が変化したから歴史が変わる」とか「森がなくなったら歴史が変わる」と言う視点が加わるそうです。
安田教授はご著書の『環境考古学事始』という本で、縄文時代は森の文化であるとも述べられています。これが分かるようになったのは正確な花粉分析により縄文時代の森林の状態を復元することが可能になったからだそうです。
花粉は小さくても強い膜をもっており、湿原や湖底など酸素やオゾンの影響を受けない所に落下すると、何万年でも腐らないで残ります。土の中に含まれている花粉の化石を抽出し、花粉を種類ごとに分けて花粉ダイヤグラムを作成すると、森林の変遷から当時の環境を読み取ることができ、縄文時代の森林の状態を復元してみると、とてもおもしろいことがわかるそうです。
青森県の三内丸山遺跡を調査した安田教授は花粉分析の結果、土に含まれている花粉の90%以上がクリの花粉で、自然の状態では、クリの花粉が90%以上もあることなど不自然であり、縄文人がクリを栽培していた証拠と考えられる、とおっしゃっています。
はるかかなたの古代の歴史が現実の時間をもって迫ってきますね!
posted by グレイニスト at 12:57| COLUMN Grainism 穀物を食べるということ