2016年10月31日

vol.1プロローグ

「ヒトの主食は穀物、日本人には米・雑穀。安全においしく賢く頂きましょう」

グレイニズムは繰り返し、このことを説いてきました。
ヒトの健康を育む食を支えるのは穀物。その根拠は、コラム「穀物を食べるということ」で詳述しています。

 ところが、ここ数年、健康食の分野で、穀物を排斥する論法が目立ちます。
「炭水化物は食べるな、とくにご飯やパンは厳禁」という食事療法、すなわち糖質制限食です。
みなさんも耳にしたことがあるでしょう。

 糖質制限食は、もともと糖尿病患者のために考えられた食事療法です。
糖をうまく使えない病気になった人に、「今は糖質(ご飯やパン)を我慢しましょう」と指導するのは、間違っていないでしょう。
しかし、糖尿病でもないのに、ダイエット(減量)したい親の道連れにして、育ち盛りの子どもにも炭水化物を食べさせないでいると、脳は活性化せず、精神活動も遅滞してしまのではないでしょうか?

 さらに、何人かの著名な医師が、健康な人の日常食についても「人間の体のエネルギーの作り方は、血糖を中心に回すものではない。脂質を摂取してエネルギーを作り、その最終段階であるケトンが脳の栄養素である」と主張しています。
「飢餓時にケトンを利用するのではなく、ケトンが脳の中心だ」とまで言う医師もいます。

いわゆるケトンダイエットです。

「本来、肉食・骨髄(油)食中心だったヒトが、穀物を食べるから病気になった」
「加熱食をするのはヒトだけ、だから病気をする。野生動物は生食だから病気しない」…

穀物食、加熱食を否定するこの主張が真実なら、人類の5千年の文明は間違っていたことになります。
はたしてそうでしょうか。
この5千年来、大規模な気候変動などの困難を超え、ヒトは確実に“頭数”を増やし、寿命を延ばし、他のどんな高等動物よりも繁栄してきました。
ヒトが手にした穀物食、加熱食がその基にあることに疑いはありません。
  
地球環境、食物資源の観点からも、ケトンダイエットには破綻が見えます。
もしも穀物食、加熱食を否定する食べ方が全世界に広がれば、70億人が食いつなぐ肉と油のために、どれだけの頭数の牛や羊を殺すのでしょう?70億人分のココナッツオイルを採るために、どれだけのココ椰子が必要でしょう?

それは、まるで、ヒトの祖先が、マンモスなどの大型哺乳類を、群れで追いかけて食べ尽くした、原始の時代、飢餓時代の再来のようです。

 こうした健康食がまかり通る風潮に警鐘を鳴らし、文明という賜物を人類に授けてくれた「穀物たちの名誉」を回復したいです。

しかし、飽食がまかり通る、現実社会の中で、糖をうまく利用できない人、小麦を食べると体調が悪くなる人が出ているのも事実です。
それなら穀物は今、どのように健康に利用されればいいのか。
諸病の発生の原因をひもとき、対応の仕方を共有したいと願って、新しい連載「グルテンフリーの真実」を始めます。
ご一読いただければ幸甚です。


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posted by グレイニスト at 17:16| グルテンフリーの真実